ペルシャ絨毯・その1

イランには大小多数の産地があります。多くの場合それぞれの場所で織られた絨毯は、作成された村や町、集散地の名前や民族・部族の名前で呼ばれます。例えばクムの町で作られた絨毯はクムと呼ばれ、それぞれの特徴を備えています。日本の着物や焼き物などと似ています。
その中でも優れた絨毯を生み出す都市は、ペルシャ絨毯の五大産地と呼ばれ、高級品の代名詞となっています。イスファハン、カシャン、タブリーズ、ナイン、クム産のものがそれにあたります。

今回は、クム産のものをご案内します。

クムは、首都テヘランから南へ120km、シーア派の聖地でもある古都。その歴史は7世紀まで辿れます。僧侶やモスクも多く、絹の絨毯の産地として大変有名です。その産地としての歴史はまだ100年弱と浅いものですが、他の産地の特徴的なデザインを繊細な絹の素材で新しく蘇らせたり、常に新しいデザインを工夫している大変勢いのある産地です。
伝統的なハンティング柄であり、織り目も細やかな上質のシルクです。 ボーダーの明るいエンジ色が華やかな雰囲気を添えています。

繊細な織り柄とあいまって重厚感と、高級感をかもし出しています。
角度によって色の見え方が違うのがシルクの特徴です。
有名工房の一流品は、織り始めや織り終わりに、
個人名や工房名のサインが織り込まれています

ペルシャ絨毯 AR-M-192-1-1



ペルシャ絨毯 AR-M-192-1-2




ペルシャ絨毯 AR-M-192-1-3



※サイズ 296 × 198 cm

※素材  クム・シルク=リビングラグサイズ(大)


ペルシャ絨毯 AR-M-192-1【ライフライン】ペルシャ絨毯 AR-M-192-1
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ペルシャ絨毯・その2

ペルシャ絨毯3



※サイズ 252 × 250 cm

※素材  クム・シルク=リビングラグサイズ(大)

ペルシャ絨毯 3【ライフライン】ペルシャ絨毯 3
1,560,000円

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ペルシャ絨毯・その3

ペルシャ絨毯 2*3


※サイズ 199 × 303 cm

※素材  クム・シルク=リビングラグサイズ(大)

ペルシャ絨毯 2*3【ライフライン】ペルシャ絨毯 2*3
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ペルシャ絨毯・その4

ペルシャ絨毯 301X198-1


ペルシャ絨毯 301X198-2


ペルシャ絨毯 301X198-3



※サイズ 252 × 250 cm

※素材  クム・シルク=リビングラグサイズ(大)

ペルシャ絨毯 301X198【ライフライン】ペルシャ絨毯 301X198
1,850,000円
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ペルシャ絨毯・その5

ペルシャ絨毯 AR-M-203-2-1


ペルシャ絨毯 AR-M-203-2-2


ペルシャ絨毯 AR-M-203-2-3



※サイズ 296 × 199 cm

※素材  クム・シルク=リビングラグサイズ(大)

ペルシャ絨毯 AR-M-203-2【ライフライン】ペルシャ絨毯 AR-M-203-2
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躍動感あふれるピクチャータイプペルシャ絨毯クム


クムは、首都テヘランから南へ120km、シーア派の聖地でもある古都。その歴史は7世紀まで辿れます。僧侶やモスクも多く、絹の絨毯の産地として大変有名です。その産地としての歴史はまだ100年弱と浅いものですが、他の産地の特徴的なデザインを繊細な絹の素材で新しく蘇らせたり、常に新しいデザインを工夫している大変勢いのある産地です。
伝統的なハンティング柄であり、織り目も細やかな上質のシルクです。 ボーダーの明るいエンジ色が華やかな雰囲気を添えています。

ひとくちアドバイス 絨毯の選び方

■大きさの選び方
カーペットをお選びの場合、大きさは最も基準になるものだと思います。カーペットの大きさは、お部屋全体とインテリアとのバランスをよく考慮して、前もってお部屋の縦、横、ソファの長さと奥行きなど各所をきちんと測っておくと良いでしょう。また、テーブルの足がジュウタンのどの位置にくるのか、などという細やかな想定をしてお選びになるとペルシャ絨毯選びが更に楽しくまた現実的になるようです。

ペルシャ絨毯は存在感のあるものが多いので、テーブルの下に比較的小さめのサイズを敷くだけでもお部屋全体がグレードアップいたします。また、将来大きなものに買い換えたときは、書斎や玄関マット、ベットの足置き等へ移動させ毎年1枚増やすのを楽しんでいる方も多くいらっしゃいます。洗いやメンテナンスに出してお嬢様のお嫁入りにお渡しすることもできます。

ペルシャ絨毯は踏めば踏むほど良くなるので、イランでは孫の代になって最高の状態になると言われています。(メンテナンスは専門の技術者がおりますので、シミや房の傷みはもちろん、タバコの焦げですら直せます。

■サイズの呼び方
ペルシャ絨毯は手織りですので、きっちりと決まったサイズではありません。しかし目安になる大きさがあって独特の言い方があります。ペルシャ語の発音なのでお店や人によって少しずつ表記が違いますが、大体下記のとおりです。
約 90 × 60cm ポシュティ
約120 × 80cm ザロチャラク
約150 ×100cm ザロニム
約200 ×135cm ドザール
約250 ×160cm パルデ
約300 ×200cm カレギ、ガリ

また、廊下敷きのような細長いサイズはペルシャ語では「ケナレ」一般には「ランナー」と呼ばれます。お店に行って「ドザールのシルクを探している」などと言ってみたりすると、「この方はペルシャ絨毯をかなり知っているな!」と店内に緊張が走るかも...です。

■色合いの選び方
お部屋全体を同系色に揃える方が多いようですが、あまりおとなしい色ばかりだとつまらないという場合もあります。また、同じ赤でも黄色が入った赤、青味がかった赤などありますので、実際の場所に数枚の候補を置いて見比べることをお勧めいたします。ペルシャ絨毯は細やかな多色使いのものが多いのですが、かえって柄色の一部が家具の色とマッチして相性が良い場合が多いものです。天気の良い日、曇りの日、また室内の照明などで微妙に雰囲気が変わります。

ペルシャ絨毯入門「基礎知識」

はじめに

ひと口にペルシャ絨毯と言っても、この手織りの敷物は実に多種多様です。ペルシャ絨毯に興味を持ち始められたお客様から、「いろいろな商品やお値段があって、どこでどうやって選ぶのが良いのか判らない。」というお話を聞きます。
ここでは、ペルシャ絨毯についての基本的な知識をご紹介いたします。ペルシャ絨毯の世界は大変奥が深いものです。このページをきっかけに更にペルシャ絨毯に関心を持っていただければ、ますますいろいろな絨緞が魅力的に見えてくると思います。

結び目の細かさ

最初にほとんどのお客様がノット数など、織目の細かさを比較するようです。手織りの絨緞は一目一目パイルの糸を結んでいるわけですから、結び目が多いほどパイルが密になり丈夫に、柄も細かくなります。デジタルカメラの画素数と同じで、細かいと美しい繊細なデザインを細部まで表現できます。ノット数が多くしっかり織り詰められた絨毯は、踏んだ時の沈み具合も違います。(大げさですが、一拍おいて体重に反応するような感じ。)また、繊細なデザインのイスファハンですが我が家の場合、4匹の猫が爪とぎしてもびくともしません。高品質のペルシャ絨毯が100年使えると言われる所以です。

織目の細かさだけではなく、織り手の技術によっても、仕上がった絨毯の美しさに差が出ます。ゆがみが出ないように、結び目の大きさを均一に細かに織りあげることは熟練を要する作業です。その点で、でき上がった絨毯の目の細かさ美しさはそのじゅうたんの価値を決める判断材料の一つと言えるでしょう。

一般にペルシャ絨毯は「ノット」や「ラージ」の単位で結びの細かさを表します。ノット:1m2に対し幾つの結び目があるかということで、ノット/平方メートル(kpsm=knots per square metre) の略です。一般に1cm2の中の縦×横の結び目を数えて概数を出します。例えば、1cm2に縦10目×横10目であれば10目×10目=100目、100目×100cm×100cm=100万ノット/平方メートルと表します。ラージ:タブリーズなどは比較的ラージの単位が使われます。これは、約7cmの間に何目並んでいるかという表現です。一般に横方向にだけ数えます。 50ラージは約7cmの中に50目ほどの細かさということです。一般に40ラージ以下は実用向け、50ラージ以上となるとかなり良いものというイメージが定着しています。

また主要産地の一つであるナインでは、主に、「シシラ(6laa)」或は「6本」と呼ばれ比較的織りの細かいグレードの物と、「ノーラ(9laa)」或は「9本」と呼ばれる比較的織りの粗い2つのグレードの物が多く作られます。このグレードの呼び方はナインの独特の表し方で、経糸に使う木綿の撚り糸の数を表します。撚り糸の数が少ないほうが一本の糸として細い糸ということになり、これを経糸に使えばより密度を高めた表現が出来るという訳です。ほとんど見ることはありませんが、「チャハラ(4laa)」、「4本」と呼ばれる大変細い経糸を用いた、実用品と言うよりは美術工芸品的な、精密な織りの絨毯もあります。実用品としては、およそ40ラージから80ラージに相当するシシラ、ノーラが多く、生産・流通しています。

余談ですが、中国緞通は才という単位を用います。 1才=約30cmの中に何目あるかといことで90段、120段と表現します。 120段は1cmに4目、最高級のシルクでも150段ですと1cmに5目。ペルシャ絨毯のクムシルクの高品質のものは100万ノット。1cmに10目です。また、中国緞通は基本的に同じデザインの大量生産方式です。ペルシャ絨毯はほとんどのものがオリジナルデザインです。似たようなデザインであっても色を変えているなどの工夫がされているものが主流です。

染 め

絨毯のパイル糸は、染めて色素を持たせた物と、染めずに生成りのままで使うものがあります。 染色の理由は様々ですが、染色する事によって色素が繊維に結びつき、保護の役割りもします。インヂゴなど、染料の種類によっては防虫効果も期待できます。しかし、何より重要なのは、絨毯に美しさ面白さの表現を与えていることです。

現在のペルシャ絨毯のパイル糸の染色には、草木染めなどの天然染料と化学染料の両方が使われています。 19世紀後半からイランでも徐々に化学染料が広まり、今では天然染料の割合は少なくなっています。

それぞれの染料の特色は、
化学染料の場合、比較的コストが安価です、比較的均一に染まり易く安定した色糸を供給できる。不便な点として、繊細な色の表現が難しい、色の褪せ方が必ずしも美しくない、また一部の化学染料の場合簡単に褪せてしまうことがある、など。
一方天然染料の場合、現代に於いては手間と時間が掛かりコストが大きくなってしまう、天候などに左右され易く、染色職人の経験、勘に依り色にばらつきが出る、などの弱点があります。良い点は、色素が純粋でなく、多種の色素で構成されている為、色合いに独特の深味が出て、重ね染めや褪色の際にも豊な色の変化が期待できます。染色の理由からしてもこれはとても重要な事です。
また気持ちの問題ですが、天然の素材には優しさを感じ安心感を持つ事が出来ます。

シルクもウールも天然繊維ですから、時を経るとゆっくり色が飴色に変化していきます。全体に良質の素材と草木染が使われている場合、染料の変褪色と相まって新しい物では表現できない見事な風合いが顕われます。生成りの部分は深いベージュに、茜の鮮やかな赤も深みを加えた赤に...。そのようなペルシャ絨毯には時代を経た物だけがもつ価値が加わります。

化学染料と天然染料の混合の場合、特に新興の産地では歳月を経た後の色合いの移行についての経験の蓄積が少ないため、色のバランスが崩れてしまう事もあるようです。これでは時間が経ってもよい風合いの絨毯にはなりません。そのため各産地ではそれぞれ研究、工夫がされているようです。工房によっては全てを天然染料に戻すなどの転換を計っているところもあります。

また、特にシルクに関して、ザンジャン、マラゲ等の産地で安く作られたものがクムシルクと称して出回っています。すべてではありませんが、中には安く仕上げるため、染めなどの工程の一部が省かれたものもあり、数年使用しているうちに色がにじんだり、早く褪せてしまうものもあります。染めとは別の話しですが、シルクの質も高級品とは違います。良質のペルシャ絨毯は洗いやメンテナンスをして長く使えるものですが、このような品質の落ちる商品は安価な分、実用向け、使い捨てとお考えになった方が良いかもしれません。(最近では経験の蓄積と市場の要求によって多少品質をあげて来ている産地もあります。判断を迷わせる元でもありますが、あえて付け加えます。)

素 材

ペルシャ絨緞は、基本となる縦糸・横糸と毛足となるパイル部分の糸から成ります。クムシルクなどはこれらに全てシルクが使われます。シルクの品質はそれぞれの絨緞によって実に多様です。高品質なものは、上質の大変柔らかな手触りの絹糸です。お手ごろなものは、硬い感じのシルクが使われているようです。ウールカーペットの場合、縦糸・横糸が綿の場合が多いのですが、主要産地の一つであるイスファハンでは縦糸にシルクが使われています。またイスファハンや高品質のウールカーペットには、コルクウール<Kurk Wool>と呼ばれる仔羊だけの柔らかな羊毛が使われていて、細やかで繊細なデザインが展開されています。その結びの細かさにシルクと間違われるお客様もいらっしゃいます。高級ウールカーペットは柄糸の一部にシルクが使われることが多くあります。シルクは光沢があるので、光の加減で柄の一部が浮き上がって見えます。華やかなデザインがより神秘的に感じられます。また、部族物など一般のウールカーペットにおいても、イランの羊は原種に近く最も絨毯に適していると言われています。しっとりと軟らかくても弾力があり、使い込むほどに光沢が出てきます。

ペルシャ絨毯入門「産地紹介」

ペルシャ絨毯の産地......イスファハン、エスファハーン<Isfahan,Esfahan...>
空飛ぶ絨毯、イスファハンの画像

イスファハンの絨毯

ペルシャ絨毯の中でも、古都イスファハンで織られた絨毯は、品質、デザインとも最高級の物と言えます。コルクウールと言われる子羊の毛で織られた細やかな毛並みは、使うほどにしっとりとした風合いを増していくようです。

イスファハンの町

ペルシャ絨毯の産地......カシャン、カーシャーン<Kashan>
ペルシャ絨毯、カシャンの画像

カシャンの絨毯

シャーアッバスの時代に絨毯の制作に於いて発展、頂点を極めた。現在、カシャンの絨毯はイラン国内での人気も高く、糸の太めな実用品クラスの物が多く作られ一般の家庭でもよく使われています。生産される殆どの絨毯はウールの製品ですが、シルクの絨毯の生産も行われています。シルクの絨毯と言えばクム産が有名で、数も圧倒的に多く出回っていますが、カシャンのシルク絨毯は高い技術と良質のシルクでクムを上回る物が多くあります。

デザインは中央にメダリオンを配し、周りのフィールド部に花や葉などをあしらった、アイボリー系のものと赤系の、メダリオンコーナーデザインがカシャンの柄としてよく見られます。その他にもメダリオン柄以外の物や、絵画や肖像を描いたものなども織られます。奇をてらった文様や外国人の嗜好におもねるような図柄は少なく、伝統的なデザインを確かな織りの技術で生産する産地です。

材質には、上質なものではコルクウール<Kurk Wool>と呼ばれる仔羊の首から胸元にかけてのしなやかな良質な羊毛を用います。また、文様の縁に絹を使用し、輪郭を際立たせたものもあります。カシャンの技術は高く、国内外でのカシャンの技術、デザインの移植が行われる為、カシャンの柄を作る産地も国内外に数多く存在します。

カシャンの町

イラン中央部のイスファハン州の町で、テヘランから直線距離で南へ約170km。テヘランとイスファハンの中間で標高はおよそ1, 600 m、カビール砂漠の西方に位置し、夏は極度に暑く乾燥した土漠地域です。町の歴史は長く、遺跡も多数見られます。古くから工芸の町としてタイルなど陶器や金属製品、絹織物の生産を行い広くその名は知られていました。イランの国の花である薔薇の産地としても有名で、ローズウオーターも特産品の一つです。現代では、絨毯産地として高い技術を維持し、イラン国内に於いても他の産地から一目置かれる存在です。

ペルシャ絨毯の産地......ナイン、ナイーン<Naein,Nein,Nain...>
ペルシャ絨毯、ナインの画像

ナインの絨毯

デザインでは、イスファハンの影響が強く、いわゆるシャーアッバスメダリオンコーナー<shah abbasi and islimi medallion-and-corner >と呼ばれるデザインが多く見られます。このデザインはアラベスク(唐草文様)や、花を意匠化したパルメットなど曲線を丁寧に細かく描くため、高い織りの技術を要求されます。同じ新興の絨毯産地であるクムとは反対に正統派好みの落ち着いた古典的なデザインを採用する事が多いです。伝統柄を用いる中にもベージュとブルー系を基調とした抑制された配色を産地の統一した特徴として確立し、均等な品質から洗練された絨毯というイメージが浸透しています。落ち着いた色使いと丁寧な仕事の仕上がりは和室の使用にも相性が良く、日本でも人気のある産地の一つです。

材質には、上質なものではコルクウール<Kurk Wool>と呼ばれる仔羊の首から胸元にかけてのしなやかな良質な羊毛を用い、きめ細くソフトな絨毯に仕上がります。上質なものではまた、文様の縁に絹を使用し、輪郭を際立たせています。主に、「シシラ(6laa)」或は「6本」と呼ばれ比較的織りの細かいグレードの物と、「ノーラ(9laa)」或は「9本」と呼ばれる比較的織りの粗い2つのグレードの物が多く作られます。このグレードはナインの絨毯のグレードを表す際によく用いられ、経糸に使う綿の撚り糸の数を表します。少ないほうが一本の糸として細い糸を使うことになり、より密度を高めた表現が出来るという訳です。ほとんど見ることはありませんが、「チャハラ(4laa)」、「4本」と呼ばれる大変細い縦糸を用いた、実用品と言うよりは美術工芸品的な、精密な織りの絨毯もあります。実用品としては、およそ40ラージから80ラージのシシラ、ノーラの生産が多いです。

後進の産地ではありますが、そのレベル高さの為に世界中で評価され需要が高まった為、イラン国内のみならず、国外にもコピー産地が存在し、世界中でナインの名称で取り引きされる事もあるようです。しかし、コピー産地の製品はまだレベルが低く、ペルシャ絨毯を扱う人ならば区別が付くものが多いです。

ナインの町

イラン中央部のイスファハン州の町で、イスファハンの町から東へ約150km程に位置する、カビール砂漠の中の小さなオアシスタウンです。 以前はイランの伝統的な衣類の産地でしたが、ヨーロッパ製品のイラン進出を機に、カシャンや、多くはイスファハンの職人の指導を得て、 1920年ごろから本格的に絨毯産業が盛んになりました。 ハビビアン、ムフィディ、ソルタニ、ハギギ、ドラクシェス、と言った工房を中心に主に輸出品としての高品質な絨毯生産を行っています。イスファハンなどと並び、大産地の一つに数えられています。

ペルシャ絨毯の産地......クム、コム、ゴム<Qum,Gom>

首都テヘランから南へ120km、シーア派の聖地でもある古都。 その歴史は7世紀まで辿れます。僧侶やモスクも多く、 絹の絨毯の産地として大変有名です。 その産地としての歴史はまだ100年弱と浅いものですが、 他の産地の特徴的なデザインを繊細な絹の素材で新しく蘇らせたり、 常に新しいデザインを工夫している大変勢いのある産地です。

ペルシャ絨毯の産地......ヤズド<YAZD>の絨毯

ヤズドは、近年カシャンの影響が強く、典型的なカシャンの柄を織る産地として知られています。中心に単一のメダリオンを持ち、フィールドをシャーアッバスのパルメットで飾った伝統的なメダリオンコーナーのデザインが多く作られています。小さいメダリオンが複数配置された柄のものなどもありますが、非常に稀です。色使いはシンプルで、同じようなデザインでアイボリー/ベージュ系のものと赤系の2種類が主なものです。経糸には普通綿が使われ、横糸には青い綿の糸を使う事が多く、裏側から見ると全体がやや青っぽく見えます。パイルの素材はウールで、比較的厚めです。結びは、ペルシャ結びで、目の細かさは30ラージぐらいが平均です。古いアンティークでは60〜80ラージのものもあるようですが、市場ではあまり見られません。必ずしも目は細かくはありませんが、織りの仕事は良質で耐久性もあり、実用的によく踏む場所に大変適した絨毯であると言えます。サイズは様々な大きさが作られますが、多くはドザールから2x3mのサイズです。

ヤズドの町は非常に歴史のある古い町です。地理的にも主要な中央アジアやインドへのキャラバンルート上の町として栄えました。テヘラン<Tehran>から南東へ約700km弱、大産地で有名なナインより南東へ百数十km、イランのほぼど真ん中と言える位置にあり、この地域では最も大きく、重要な都市です。地理的に、カビール砂漠、ルート砂漠に南と西を臨み、熱風と強烈な陽射しが典型的な砂漠都市です。 7つの地区と、1つの市から成り、それぞれいくつかの村に分けられます。これらの地区にはアルダカンも含まれ、同じカシャンのデザインの絨毯の産地として知られています。地下にはカナートと呼ばれる「地下道の水路」がたくさん張り巡らされており、ベージュの日干し煉瓦の家々が迷路の小路を作り出し、ところどころバードギール(風採り塔)がそびえ立つ町です。その町並みの美しさから、イランでは「砂漠の花嫁」と呼ばれています。窯業や金属製品の生産もさかんで、織物の町としても有名です。またヤズドは、7世紀以降のイスラム侵入の後、イランの国教でもあったゾロアスター教の信者が最後まで多く暮らした町です。現在でもイランのゾロアスター教徒の中心です。6月になると世界中のゾロアスター教徒が、ヤズドから72km離れたチャクチャク神殿に集まります。ヤズドのゾロアスター教の寺院では今も1,000年絶やされず続くという、聖なる火がともされています。ゾロアスター教信者の人々は、イスラム教徒の一般イラン人からみれば 異教徒であるにもかかわらず、その誠実な生活態度から商取引においても信頼できるという評判を得ています。

ペルシャ絨毯の産地......ケルマン<Kerman>の絨毯

ケルマンはイランの南東部、ルート砂漠の西端、標高約1800mに位置する古くからある町で、16世紀サファビー朝シャーイスマイルの時代には、ショールや刺繍等の織物産業と共に絨毯も作られ、王室工房も存在していました。19 世紀後半からは、絨毯が産業の主流となり、特に近郊の村ラバー<Lavar>で作られた絨毯はケルマンラバー<Lavar Kerman>として有名です。ケルマンの絨緞は、糸を紡ぐ前に羊毛を染める「先染め」の染色法を用いてい ます。色が深く、均等にしみ込むため、長い年月が経ち、洗いを重ねていきますと 更に落ち着いた色調に至ります。古くなればなる程、深みのある美しい絨毯になると言 われています。

ペルシャ絨毯の産地......アルデビル<Ardebil>の絨毯

アルデビルは、テヘランから飛行機で一時間ちょっとの海抜1000メートルを越える高原都市でその歴史も古く、一時期アゼルバイジャン地方の首都であった町です。その町と周辺で産する絨毯は幾何学文様が多く、また総柄のマヒ(魚)デザインも多く作られています。

ペルシャ絨毯の産地......マラゲ<Marage>の絨毯

タブリーズの南100kmほどの所にある、クムのデザインのシルク絨毯を作る町です。 クム産のものと比べ価格が安いのが特徴です。

ペルシャ絨毯の産地......ハマダン<Hamedan>の絨毯

クムの町から東へ180km、標高2,000mほどの高原にあり、 夏快適な気候の観光地です。町の歴史は古く、紀元前600年頃メディヤの首都エクバタナとして繁栄しましたが、その後アケメネス朝となり夏の首都として繁栄しました。旧約聖書「エステル記」の舞台になったともいわれ、エステルとモルデカイの廟があります。歴史的に異民族の侵略が多くあり、トルコ系の住民が多く住んでいます。ハマダンの絨毯は産地というよりは集積地としての重要性の方が高く、絨毯はハマダン平野にある数百の村々で作られているものが集まっています。

ペルシャ絨毯の産地......サーベ<SAVEH>の絨毯

サーベ産の絨毯は遊牧民タイプの絨毯の中では品質が高く人気があります 。 デザインの特徴は何学的なパターンです。 色使いは赤と青で美しい対照を作り、ベージュの占める部分も多く、新しいものでは緑及び青、茶色など他の色も控えめに使われます。 結びはあまりきつい方ではありません。結びは30ラージが普通で、やや柔らかい感じに仕上がっています。 様々なサイズが織られますが、ザロニムサイズが多く見られます。 縦糸は綿が普通で、横糸は 綿かウー ルです。
サーベの町。首都テヘラン<TEHRAN>の南約80kmにあり、シャーサヴァン族<SHASAVAN>の住む町として知られます。シャーサヴァン族は多くが北西 イランに暮らしますが、一部は過去に中央イランへ移動し、サーベやヴェラミン<VARAMIN>で暮らしています。「シャーサヴァン」はシャー(王)に仕える戦士を意味し、17世紀頃ペルシャの北のボーダーを守り、この名で呼ばれたと言われます。織物にはサドルバックや動物の装飾のような実用品も多くソマックやキリムも産します。

ペルシャ絨毯の産地......ヤラメ<Yalameh>の絨毯

ヤラメはイラン国内の遊牧民由来の部族の名前、またそのヤラメ族の織る絨毯のことを指します。ギャッベと同じ、部族もののペルシャカーペットです。ヤラメ族は、ギャッベを織るカシュガイ族、或はルリ族につながりがあるとも言われています。特徴は温かみを感じさせる手触りと色使い、そして幾何学的な紋様にあります、特に色彩は赤、紺、ベージュ、茶、グリーンなどと色数が豊富で、大変美しいものです。 デザインは鈎状の紋様で縁取りされたダイヤの三連メダリオンのものなどメダリオンの数や配置にも工夫があり、多くのバリエーションがあります

ペルシャ絨毯の産地......アバデ<Abadeh>の絨毯

アバデ は, イランの首都テヘラン<Tehran>から南へ600km強の距離、イスファハン<isfahan>とシラーズ<shiraz>の間に位置し、標高約 2,000 mの高原にある小さな町です。この地の歴史は千年を越すともいわれ、シラーズが都になって以降発展したと言われています。遊牧民カシュガイ族の夏の野営地に近く、住民の殆どは定住化したカシュガイ族だと言われます。アバデの絨毯の特徴は、多くは菱形のメダリオンを生命の樹のモチーフで上下に挟み、ギュル様の文様を中央とコーナーに配し、動植物や部族の様々な文様でフィールドとコーナーを埋めます。色数も多く、部族系の絨毯の中でも大変細かく賑やかな織りです。基本色は深い赤、深い紺、そしてベージュです。カシュガイの絨毯のデザインとよく似ていますが、結び目が細かく詰まったやや堅めの仕上がりで、パイルも短か目です。他に花瓶文様のデザインも見られます。縦糸には綿を用います。

ペルシャ絨毯の産地......タフレッシュ<Tafresh>の絨毯

タフレッシュは、ハマダンの南、首都テヘランから直線距離でおよそ280kmほどの町。クロックフェイスと呼ばれる 独特な形状と大きさのメダリオンの迫力のあるデザインで知られています。織りもハマダン近辺のこの地域の絨毯としては目の細かいほうです。

ペルシャ絨毯の産地......マハラット<Mahallat>の絨毯

マハッラトはテヘランから南西へ約260km、絨毯産地-集積地として有名なアラークの近くに位置する山腹の都市。古くから栄えた町で絨毯産地としても歴史があります。温泉や石材の産地としても有名です。マハラットの絨毯はその地理的な要因から南イランの部族由来の曲線から成るモチーフが多く見られます。また、織りの細かさはさほどでもありませんがしっかりと織られ構造は強いです。30ラージぐらいの物が普通です。

ペルシャ絨毯の産地......カシュマール<Kashmar>の絨毯

カシュマールはイランの最も広い州、北東部のホーラサーン州の重要な都市の1つで、かつては"タルシーズ"と呼ばれました。地理的には首都テヘランから直線距離で東へ約600km 、ホーラサーン州の州都マシャドからの直線距離で南西へ約150kmほどの場所に位置します。この地域にはムードなど、他にも絨毯生産を活発に行う町が多くあります。カシュマールで生産される絨毯は緻密で美しいものも多数生産され、大きなサイズの物も多く作られます。目の細かさには幅があり、30ラッジ(約7cmに30の結び目がある織りの密度を表します。)〜80ラッジと言われています。

ペルシャ絨毯の産地......ギャッベ、ギャベ<Gabbeh>の絨毯

ギャベ<Gabbeh>は、ペルシャ語でパイルを短く刈り込んでいない敷物を指す言葉です。粗いを意味する言葉からの派生語の様です。イラン南部のファース地方の遊牧民、カシュガイ族やルリ族の女性たちによって主に自分達で使う生活の道具としてつくられて来ました。以前はあまりに素朴な物であったためイラン国内でも絨毯としての取引の対象とはならず、殆ど流通していませんでした。染色されない羊毛の濃淡を使い分けてデザインされた物も作られ、オフホワイトからダークブラウンの色使いのプレーンギャッベは欧米でも一部のコレクターなどにしか知られていませんでした。

イランのゾランヴァリ社<Zollanvari>はカシュガイ族と共に素材、染色、織り、仕上げと全ての工程での品質管理を進め、洗練されたギャッベのブランドを築きました。1980年代にドイツ、スイスなどヨーロッパで非常に評価され、その頃日本にも紹介され始めました。ゾランヴァリギャッベの特徴は、素材、染色にこだわり、他のギャッベより比較的目が細かく、そのため柄も細かく、パイルもやや短めですっきりとした印象があります。

ゾランヴァリ社が広くギャッベを紹介して以降、カシュガイ族の女性たちは出荷用のギャッベも盛んに織るようになりました。羊を牧し、毛を刈り、糸を紡ぐ。採取した草木で染め(最近では化学染料も平行して使用されることもあるようです)、機を組み立て織る(ギャッベは水平機で織られます、これは移動を常とする遊牧民が、すぐにそして容易に組み立てられることが必要な為です。)・・・・・一族の遊牧生活の全てから素朴なギャッベは生まれます。カシュガイ族の素朴なギャッベの特徴は比較的粗く、厚く結ばれたパイルです。デザインは非対称や幾何学的、象徴的であったり、具象的な身近な動植物をモチーフにしたり、物語の場面の描写や景色のようであったりと様々です。もともと下絵も存在せず、思い浮かぶままに自由に織っていくと言われます。描かれる素朴な人物、動植物の図柄は、私たちにゆったりとした牧歌的な気分を味わせてくれます。また毛足の長い所から、手触り、ふみ心地の良さも魅力です。

ギャッベが持ついろいろな面での優しさに加え、現代的なインテリアにも違和感なく使え、織り、柄の緻密さを求めない為に比較的安価であるなどギャッベは大変に人気があります。いま、トルコ、インド、中国及びエジプトなどではギャッベを似せた物が作られ安価に市場に出荷されています。羊毛の質、染め、織り、どれをとってもまだ本家イランのギャッベには及びません。ご購入の際には注意が必要です。また、ゾランヴァリのギャッベを意識したものも作られています。これはカシュガイ族のものもイラン国内外の産地のものもありますが、あまりに意識し過ぎて緻密にし過ぎたり、パイルも短くカットし過ぎたものなど、もはやギャッベと言い難い物もあったりします。

多くのガシュガイ族のギャッベは、ほかのカシュガイ族の作る絨毯、キリムと同様に一大集積地であるシラーズに集められ、世界へ送り出されていきます。
そのため産地の表記はほとんどシラーズとなっています。

ペルシャ絨毯入門「お手入れ法」

普段のお手入れ

普段は週に1,2回の掃除機による掃除で結構です。
掃除機に絨毯の房を巻き込みますと房がやせる原因になります、注意しましょう。
半年に1度のお手入れ

年に1,2回、天気のよい乾燥した日を選んで陰干しをし、湿気をとりましょう。
軽く裏からたたいてパイルの奥の埃も出します。
軽いよごれ

部分的な表面の軽い汚れを取る場合には、よく絞った布で拭き取ってください。
必ず冷水を使います。温度の高いお湯は染料を溶かしたり変質させたりして、色落ち、変色の原因になる事があります。
 飲物やお醤油などをこぼしてしまった場合は素早く乾いた布で吸い取るように拭いて下さい。
シミが残るようでしたら冷水で固く絞った布でたたくようにして汚れを布に移しシミを取ります。  油性の少量の汚れの場合はベンジン等も有効ですが上手に処置をしないと広がってしまうこともあります。

湿気は避けましょう

湿度は繊維製品にダメージを与えることがあります。
ウールの絨毯は頑丈で耐久性の高いものですが、湿度が高かったり、
水気のかかる環境でお使いになると、繊維の深刻な傷みやカビの原因となります。
また床の水拭きの後には充分に乾いてから絨毯を置くようにしてください。
 干す場合には、影干しが原則です。特に太陽光線には紫外線が多く含まれ、
染料の変色・褪色の原因になります。普段から強い光線はなるべくお避けください。

特にシルクの絨毯の取扱いのコツ
水分は大敵

絹はとてもにデリケートな繊維ですので、取り扱いには十分な注意が必要です。特に表面は水に濡れると、風合いが変化することがあります、これは乾燥しても戻らない場合が多いのです。また色落ちや色にじみの原因にもなります。湿気の多いところや水のかかるところにはお避けになったほうが賢明です。
繊細です

摩擦やアルカリ等の薬品にも弱いので重い家具の下に敷いたり、頻繁に行き来する場所は避け、アルカリ性の洗剤、ゴム製品に直接触れる事の無いように配慮が必要です。
軽いよごれ

万一汚れてしまった時には、乾いた布か堅く絞った布であまり力をいれずにさっと拭くようにしてください。
専門家が対応します

各々の絨毯にもよりますが、水洗いや染み抜きは多少の差こそありますが、色落ちや変色、パイルの状態の変化による色の見え方の変化を伴います。
染料や繊維の種類、染色の方法に応じて色止めの方法や必要を判断し、行わなければなりません。汚れのひどいものについては専門家にお任せ頂く方が安全です。